2018/02/19 公開
當麻寺奥院のご本尊は円光大師法然上人像です。
このお像を造られたのは、桑原左右衛門之丞という源平の合戦に参加していた武士です。
合戦後、法然上人の弟子となりました。
そして法然上人像を造立したのです。
法然上人が建暦2年(1212)に極楽往生を遂げると浄土宗の総本山 京都知恩院の本尊として奉られました。
応安3年(1370)、知恩院12代誓阿上人の代に、戦火を避けるように知恩院から當麻寺へと遷されます。
そのとき、知恩院から宝物の半分も遷されて、今の當麻寺奥院が建立されます。
誓阿上人は奥院の初代となって、その後知恩院の歴代住職は任を終えた後、奥院へと隠遁するようになり、
知恩院と奥院は双子のような関係になりました。
奥院は浄土宗の大切な寺院であるとともに、大和における念仏布教の中心地になっていきました。
法然上人像は当時から法然上人の生き写しのようだと多くの人々に信仰されました。
墨染めの法衣に袈裟をつけ両手で数珠を繰って念仏を唱え勧めるお姿は力強く、やさしい慈顔は多くの人々を念仏で救った法然上人の平生の様子を伝えて下さいます。
法然上人の絵像は数点現存しておりますが、ご存命の時の木像は他にありません。
また、彫刻としても衣紋の刻みには鋭い刀法が用いられ、写実性に優れています。
鎌倉時代の優れた肖像彫刻のお像でもあり、国の重要文化財に指定されています。
法然上人のお姿は、上人の命日法要である2月24日の御忌大法要のときに特別開帳されます。
2月24日の午前11時から午後4時の間にご参拝下さい。
行事情報
※當麻寺奥院には近鉄南大阪線「当麻寺駅」をご利用下さい。アクセス