全48巻。紙本著色の絵巻物
紙本著色の法然上人絵伝で全48巻の絵巻物になっており、絵は土佐吉光、詞書は伏見・後伏見天皇と公卿たちの染筆と伝えられています。
知恩院に最初正副二本が保管されてましたが、誓阿(せいあ)上人が當麻に隠居した時に、法然上人木像とともに、この副本も遷されたものです。
この絵伝は、いわば法然上人の一代記を絵巻物にしたもので、土佐吉光を中心とした一派の絵師が精魂込めて描いたものです。
43巻以下は弟子たちの行状を述べられており、偉大な行跡を信仰的にまとめられていると同時に、当時の建造物や人物など風俗を知る上でも大いに参考になる資料で、天皇、公卿、武士の姿だけでなく、遊女や乞食にいたるまで、いろいろな人物が登場します。
鎌倉時代の末期になると、大和絵の描法が円熟してきますが、この絵巻には幾分古い宋の画風が残されています。
この絵伝も500メートル以上に及ぶ大作で、絵巻物としては最も大部なものと言えるでしょう。
公開 | 常時 |
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所在 | 奥院 宝物館 |
区分 | 重要文化財 |
製作時期 | 鎌倉時代 |