中将姫は當麻曼陀羅を織り上げた後、29歳で生身のまま極楽浄土へ往生されました。その様相をそのまま現したものが練供養です。
まず、當麻寺本堂である曼陀羅堂から東方にある娑婆堂まで長い架け橋が渡されます。
曼陀羅堂は本尊當麻曼陀羅にあらわされる西方極楽浄土を象徴し、これに対して娑婆堂は私たちの住むこの俗世界を象徴して、小さくささやかなお堂です。
その二つを繋ぐ橋はまさしく来迎(らいこう)橋。娑婆と浄土を繋ぐ最短距離の白い道です。
午後4時をまわるとまず僧侶が娑婆堂に向かい、まさに来迎をむかえんとする中将姫を囲んで読経いたします。やがて鐘が鳴ると極楽浄土の観音、勢至、地蔵菩薩が二十五菩薩を従えてまっすぐに来迎橋を下ってまいります。
読経の中、娑婆堂に至った観音菩薩は金蓮台に中将姫を遷し、勢至菩薩は光り輝くその両手で中将姫を優しく撫でます。娑婆の世界に別れを告げた中将法尼は菩薩聖衆に護られて来迎橋を渡り、極楽浄土に向かうのです。まさに極楽の曼陀羅堂にいたらんとするとき、夕日が二上山にかかり、あたりは西方浄土の様相に包まれます。
この練供養は仏様の来迎の様相をまさに現前したものです。日本の浄土信仰はまさに中将姫と當麻曼陀羅、練供養が広めたと言っても過言ではありません。貴族中心、国防中心の仏教が主流を成す中で當麻寺から始まった民衆の宗教は脈々と時代を流れ、やがて鎌倉時代の仏教革命へと流れ着くのです。
開催時期 | 4月14日 |
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開催場所 | 當麻寺 |
見学料など | |
参考URLサイト | 練供養会式の映像(Youtube) |